Project Description
Sales Cloudを使い始めて最初にこれはなんだろうと思ったことがあります。
リード(Lead)と取引先責任者(Contact)です。
取引先責任者は取引先オブジェクトに所属する形で存在しています。一方でリードは個人そのもので組織とは関連付けられていません。
リードとは?
リードは見込み顧客のことを指します。これから商談が始まる可能性のあるリストのことで、新規商談を作る際のアプローチ先として活用されます。展示会や問い合わせフォームからの流入で既存顧客ではない場合にそれらのリストをリードとして登録し、ここにアプローチした結果商談化することが出来た場合は、取引の開始ボタンから商談を作成することが出来ます。
取引先責任者とは?
これは取引先を親とする、子のレコードとして存在します。ある組織に所属した人として登録されており、先程リードから取引の開始ボタンを押した際にコンバートされる先のレコードになっています。
商談には取引先責任者の役割という関連リストがあり、そこに紐付けることで、商談に対する取引先責任者がどんな役割を持っているかを確認できるようになっています。
理想的な管理方法について
リードを活かすには、リードリストの管理が必要です。なぜかというとそれをやらないと、有用なアプローチ先リストとしてのリードが成り立たなくなってしまうからです。
具体的にはどんなメンテナンスが必要かというと、既存取引先と会社名が同じ場合は取引先責任者にコンバートする必要があります。リードから商談が始まった場合は、同じ組織所属の人を取引先責任者にコンバートして提案が重複しないようにする必要があります。理想的にはそういうことなのですが、これがなかなか徹底できない。なぜかというと、リードの会社名は基本的に自由記述欄ですので、名刺スキャンでのデータ化なら良いのですが、リードの人が自ら情報提供したり、誰かが手打ちで入力したりすると既存の取引先名と違ってしまったりということは往々にしてよくあります。
弊社リバネスでは、ある程度運用期間が経過してからベストプラクティスに気付いたため、リードと取引先責任者がぐちゃぐちゃになってしまっていました。そうなると、あまり効率の良い使い方ができなくなってしまいます。
効率の良い顧客管理方法を求めてプロスペクト方式へ
上述したとおり、リバネスではリード管理が崩壊してしまいましたのでより効率の良い方法が必要でした。個人のリストが2つのオブジェクトにまたがって存在することで情報効率が劇的に下がります。レコードには重複が存在するようになり、レポートやビューを使った単一オブジェクトでの情報のフィルタリングはできません。私達はこれらのリストを元に、さらなる商談可能性の発掘などの情報探索をしたいのですが肝心のリストが分割されていては作業効率が激減してしまいます。
さて、リバネスはPardotというSalesforce社が提供するメールマーケティングシステムを導入しています。PardotはSalesCloudと連携し、リードと取引先責任者をプロスペクトという顧客リストに同期してくれます。結論から言えば、SalesCloudの顧客管理もこのプロスペクト方式でよいではないかと考えました。
結果的には、リードもしくは取引先責任者にリンクを持ったリバネスIDというオブジェクトに統合しました。
こうすることで、全ての個人情報はリバネスIDオブジェクト内で検索すれば出てくるようになりました。その他に顧客に関連する情報はリバネスIDにぶら下げて存在させることにより、どの人がアクティブなのかを常に把握できるように変わっています。
もちろん、リードと取引先責任者にリンクが張ってあることからPardotからくるデータにもアクセスすることができるようになっています。
工夫点
リード・取引先責任者・リバネスIDという3オブジェクトが存在するのですが、これらの情報に乖離があるのは好ましくありません。そのため、リンクされたレコードがあった場合は、修正点を関連するレコード全てに反映しています。
例えば電話番号が変わったり住所が変わったりという事があれば、全てにその情報を反映させています。これらはフローによってSalesCloud上で実現できます。
まとめ
以上のように、人間一人一人に関するレコードはリード or 取引先責任者方式ではなく、プロスペクト方式にしてしまったほうが取り回しがかんたんになります。リードを使った管理方法もよく作られて入るのですが、メンテナンスがされていなかったりで実質機能しなくなった場合にはこのような方法を検討しても良いかもしれません。
気になった場合はお知らせ下さい。