Avada Agency
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Slack導入支援事例の紹介 双葉電機株式会社様

2025-03-12T11:31:41+09:00

「Slack+AI」で、事業変容を目指す 1946年創業の双葉電機株式会社は、日立グループの技術専門商社。工場やビル、公共施設用製品の販売・エンジニアリング・メンテナンスをメインに手掛けてきた。代表取締役副社長 岡﨑友作氏は、創業80年の節目に向けて新事業開拓への意欲を燃やす。カギは「Slack+AI」の力で、企業文化と社員の意識を変えていくことだと語る。この挑戦の過程でリバネスナレッジの「Slack導入支援サービス」に何を期待するのか、伺った。 非構造化データの蓄積・検索に長けているツール ―Salesforceを導入のうえで、今回Slackを導入されました。きっかけは何でしたか。 岡﨑 20年以上前から弊社はIT化を進めており、基幹システムはすでに確立していました。でも、そこから先が進んでいなかった。2019年にMicrosoft社からオフィス365が出たタイミングで、全社員のパソコンをノート型に切り替え、iPhoneも支給したのですが、その直後、新型コロナウイルスの感染拡大が始まったんです。 ―ある意味、絶妙なタイミングでしたね。 岡﨑 ええ。これまで口頭でコミュニケーションしていた社員たちが、一斉に遠隔コミュニケーションにシフトしました。LINEWORKSやTeamsも導入し、コミュニケーション手段も増えました。ところが、ツールが増えたことがかえってミスコミュニケーションの原因になったんです。社員それぞれが自分好みでツールを使い分け、その結果、重要な連絡事項に返信がなかったり、「ごめん、私はショートメールしか見ないんだよね」といった無意識の未読スルーが続くといったことも。これはいよいよ社内コミュニケーションのあり方を見直さなくては、と検討し始めのがちょうどコロナが明けるタイミングでした。 そんな折り、弊社の常務とIT責任者が、アメリカで開催されたSalesforce主催の「Dreamforce(ドリームフォース)」に招待されたんです。そこで紹介され、リバネスナレッジさんと出会いました。 ―そこでSlackの特徴と強みを力説されたということでしょうか(笑)。 岡﨑 その通りです(笑)。帰国後、自分たちもSlackについて徹底的に調べ上げました。分かったのは、Slackとは単なる「日々の業務の連絡ツール」ではないということ。そして、「Salesforceをはじめとする、あらゆるシステムやアプリケーションと連携して使うことで、既存事業を圧倒的に高度化・効率化させ、コスト構造を変革させられる可能性がある」ということでした。 Salesforceは顧客データや商談・商材データなど「構造化データ」を蓄積できるのが強みです。一方、Slackはそれ以外の「非構造化データ」を蓄積し、検索する機能に長けている。この2つは対になってはじめて、真の効果を発揮するんだと感じました。 双葉電機株式会社 代表取締役副社長 岡﨑 友作 氏 双葉電機HP ―御社の業務に照らし合わせると、どのような使い方が実現するのでしょうか。 岡﨑 例えば、私たちがお客さまにご提供する商材データ類は、顧客情報や顧客に紐づいた商談、さらに商談に紐づいた活動報告まで、全て構造化された情報群として蓄積されています。一方、「なぜ、A社にはこれをご提案し、B社には別の製品が最適解なのか」とか、「新製品を最初に売った社員は、どんな営業で成約にこぎつけたのか」といった試行錯誤を含めた知見は、Salesforce上には記録されません。それらはあくまで担当者同士が口頭やメールで交わす一時的な情報で、やがては失われてしまうもの。 でも、もしこうしたやり取りも全てSlack上で交わされれば、「非構造化データ」として蓄積が可能になります。私たちはSlack AIも導入していますから、将来的に必要になれば、AIが適切に取り出してくれます。「Slack上でのナレッジの蓄積」が、私たちの業務効率性を爆発的に上げてくれるはずだと考えました。 ―Slack自体が、生産性、つまり売り上げを向上させてくれるということですか? 岡﨑 はい。私たちのメイン業務は商社業ですが、商社のコスト構造ってどの企業もさほど違いがないのです。「クライアントの要望を聞く」→「製品を紹介・提案する」→「見積もりを提示する」→「製品を納品する」。弊社の場合は、ここに「工事・システム導入するための設計」→「製品設置の工事」→「メンテナンス」も含まれますが。 では、差が生まれにくいこうした内容を、どうしたら「双葉電機じゃなければダメ」と希望してもらえるか。カギは、品質はもちろん保証した上での、「スピード」と「安さ」です。「双葉電機さんに頼んだら、見積もりが一瞬で出てくるうえに他社よりも安い」。これを実現すれば、売り上げは自ずと上がります。その意味では、現在、人海戦術でやっている業務をAIが担えば、スピードは比べ物になりませんし、人件費も圧縮できます。その分、人間はほかの業務に集中することができますから。 双葉電機本社。フリーアドレスオフィスで約150名が勤務している 求めたのは、一緒に考え試行錯誤してくれるパートナー ―Slack導入に合わせて、リバネスナレッジによる導入支援サービスも利用されました。その狙いとは何でしょう。 岡﨑 Slackというツール自体が進化の過程にあり、順次アップデートしていく存在だということが大きかったです。もちろん弊社にもIT担当人材はいますが、彼らの一番のミッションは自社のITインフラを維持・管理することです。導入した他社サービスが常に改廃していく場合、その内容をキャッチアップし続けるのは難しい。業務過多にも陥るでしょうし、相談する相手もほしいですよね。だから、その部分は外部にお願いしたかったんです。 では、なぜリバネスナレッジさんだったのか。正直、「使い方」だけを知りたいのなら、調べればいくらでもヒットしますし、他社さんの支援サービスという選択肢もあるかもしれません。 だけど我々が求めているのは、自社業務に最も適したカスタマイズを一緒に考え、試行錯誤してくれるパートナーです。その点、リバネスナレッジさんは自らがSalesforceやSlackのヘビーユーザーで、使い倒しながら自社の生産性や情報の蓄積の形がどうあるべきかを検証し続けている。と同時に、マニアを通り越したオタクレベルの情熱がある(笑)。「好きこそものの上手なれ」ではありませんが、リバネスさんの「Slack愛」は、他社にはない一番の強みですよ。 ―ありがとうございます。「Slack導入で社内風土も変えていきたい」と話されていましが、具体的にどういったことでしょうか。 岡﨑 現在、弊社のメイン事業は、日立グループの特約店としての商社業です。しかし、次の時代を見据え、自らものづくり・エンジニアリングをしていける事業体に変容・成長していきたいんです。そのためには、現在の社内文化・風土も変えていく必要があると考えています。 商社業は、一度販路をつくれば、あとは比較的順調に事業を展開していける業態です。キャッシュフローも確保できるし、ある意味、効率的なビジネスモデルともいえる。でも、ものづくりの会社になれば、そうも言っていられません。 例えば「安全性」に対する考え方。商社ももちろんリスク管理は大切ですが、イチからものづくりをする現場では、従業員の命がかかってきますから、より一層の安全性が確保される必要があります。作業現場では、重機や火器、大きな電圧が流れるシステムもあります。一歩間違えば重大な事故にもつながりかねず、厳密なルール設定とその順守、密なコミュニケーションが求められます。場合によっては、公衆の面前で「それはダメだろう!」と叱責する勇気と覚悟も必要でしょう。でも、今の弊社にはそうしたシビアな面は弱く、良くも悪くも温和で、控えめ。そんな社風を、「オープンで率直なコミュニケーション文化」に変えていきたいんです。 2024年4月には、全体会議の場で副社長の私自ら皆に告げました。「今後は、良いことも悪いことも全てオープンな場で、是々非々で議論したい。会社や上司に忖度なく、率直に意見する人を評価します」と。 [...]

Slack導入支援事例の紹介 広川株式会社様

2025-04-21T15:44:57+09:00

オープンコミュニケーションで、創業167年の知見を守る 安政4年創業の広川グループは、「食品」「エネルギー」「住宅設備」「保険」「旅行」など、幅広い分野で、地域の人々の生活を支えてきた。地元顧客やパートナー、メーカーとの連携を大切にしてきた企業にとって、「情報」は蓄積すべき大切な資産。一人一人の社員が持つ「情報」を集積していくツールとしてのSlackを導入に、リバネスナレッジはどう寄り添ったのか。リバネスナレッジの「Slack導入支援サービス」事例第一号となった広川株式会社 常務取締役 廣川充明氏に伺った。 「情報と知見」を会社の財産にしたい ―Slack導入を検討されたきっかけを教えてください。 広川株式会社 廣川 充明氏(以下、廣川) もともと弊社ではセールスフォース(以下 Salesforce)を導入しており、Slackの存在は知っていました。DX化の必要性も認識しており、今後、社内情報をSalesforceに集約していく上で、シナジー効果を最大限発揮できる社内コミュニケーションツールはSlackだという認識もありました。 ただ、導入にはハードルもありました。人的・時間的な意味での導入コスト面もそうですし、導入後ちゃんと使いこなせるのかどうか。また、社内コミュニケーションツールとして利用してきた別のツールから、社員がスムーズに移行することができるのか、データ移動も順調に運ぶかなど、さまざまな懸念事項がありました。 広川株式会社 常務取締役 廣川 充明 氏 ―それでもSlack導入の可能性を探っていらしたと。 廣川 Slackアプリ自体の秀逸さは理解していたからです。膨大で雑多な情報がきちんと整理・蓄積されることに加え、検索力も高い。チャネルもきれいで、ファイルのプレビューもしっかり見られる。特にSlackの持つロジカルシンキング的な構造やシステムが個人的には好きでした。 ―「ロジカルシンキング的な構造やシステム」について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか。 廣川 弊社に限らず、日本人のコミュニケーションは、会話や議論がその場の雰囲気で流されがちです。何となくいつものメンバーが集まり、ふわりとした課題感でミーティングを行い、しかし後から振り返ると、結局「誰が、いつ、誰と、何を、どこまで進めるか」が曖昧だった、という具合です。 また、弊社は卸売業や中間流通がメインなので、ルート営業が多いんです。昔からのお付き合いをしている取引先も多く、いわゆる「顧客とどれだけ親密な信頼関係を築けるか」が売り上げに直結します。 そうなると、どうしても社員個人の資質やスキルによるところが大きく、結果的に、限られた社員がその地域のキーパーソンを把握していたり、相手企業の内情を熟知していたりといった状況になりがちです。 ただ問題は、その社員が担当を外れたり、会社を去ったりした場合、その人が持っていた「情報や知見」ももろともに散逸してしまうということです。例えば「10年前まで取引があったあの会社となぜ疎遠になったのか、いまや誰も知らない」ことが起こり得る。 それ以外にも、それぞれの部門が、各部署のフォーマットや入力ルールで資料を作成しており、情報共有や引継ぎがうまくいないケースも散見されていました。そうした課題を一挙に解決してくれる存在が、Slackだったんです。 「何のために導入するか」、世界観のヒアリングからスタート ―Slack導入に逡巡もあった中でリバネスナレッジと出会ったということでしょうか。 廣川 そうです。2023年にSalesforce主催のイベント「Dreamforce(ドリームフォース)」に参加し、そこでリバネスナレッジの代表の吉田さんと取締役の平塚さんに出会いました。 それまでの私は、個人的にはSalesforceのコンセプトや理念には共感しつつも、最終的には「組織文化となじむか」が最大のポイントだと感じていました。 でも、吉田さんの言葉で考えが変わったんです。彼は言いました。「会社の情報資産は、個人がため込むものではなく、会社が蓄積するべきものだ」と。「会社とはチーム運営であり、そこに賛同できないなら、業務委託でもいいはずですよね」という発言は、本当にその通りだなと。 この言葉に背中を押され、数年後に迎える創業170周年の節目までに社内文化と情報蓄積の在り方を刷新したいと考え、Slack導入を決めました。 ―リバネスナレッジに対して「ピンときた」といった感じですね。 廣川 何かを一緒に進めていく相手って、結局「共感できるかどうか」がポイントだと思います。吉田さんの言葉や、がっしりと握手してくれた平塚さんの手が、「この人たちと一緒なら、成し遂げられる」と感じさせてくれたんです。 ―実際にSlack導入に際して、リバネスナレッジからどのような提案がありましたか。 廣川 まずは契約前に、「ゴール地点」を決める話し合いがありました。現状課題をヒアリングして、Slack導入後にどんな結果を得たいか、会社として「どんな世界観をもちたいか」を丁寧に聞き取り、言語化していってくれたんです。この作業はおそらく自分たちだけでは難しかったと思います。 ―ちなみに御社が目指された「世界観」とはどういうものですか。 廣川「オープンなコミュニケーションを目指そう」というものです。 ―裏を返すと、それまではあまり「オープン」ではなかった? 廣川 コミュニケーションはそれなりにありましたが、それでも「失敗」は隠すべきものだし、なるべく怒られたくない心理も働きます。会社からの発信情報も、社員全員が見たのか見ないのか、リアクションが曖昧でした。 「クローズドなコミュニケーション」が多いのも気になっていました。担当者同士は個々にコミュニケーションをとっていましたが、それがオープンな情報として会社全体で共有されていないという状況でした。 ―導入に際しては、リバネスと御社の担当チームが一緒に作業を進めていったのでしょうか。 廣川 ええ、Slack導入担当チームには、なるべく社内文化に染まっておらず、構造的に物事を考えられる人材を集めました。その結果、Slack導入担当窓口は、中途採用、かつSalesforceを使い始めて1年未満という社員になりました。 ―システムに詳しい人選を、あえて避けたのですか。 廣川 SalesforceもSlackもノーコードですから、システムエンジニアでなくても構いません。むしろゴリゴリのシステムエンジニアより、ニュートラルに物事を捉らえられる人選を重視しました。 ―導入後、社内でのアレルギー反応はありましたか。 廣川 ある程度は出ましたが、あくまで想定範囲内でした。リバネスナレッジさんと一緒に、あらかじめ想定質問やクレームを洗い出し、対応策を事前に整えていたおかげです。同時に、Slack導入後は、そのシステムを最も使い倒してもらいたいバックオフィス(総務や経理、人事)を中心に、最初から巻き込む戦略も立てました。 [...]

Slackはインプットのツールではなくアウトプットのツールでありあなたの味方である

2024-09-11T16:37:44+09:00

Slackの利用方法の話 Slackはチャットツールでしょう? そう思っている人は少なくないのではないでしょうか。もちろんチャットツールではあるのですが、それは機能の一部でしかありません。 今回はそんなSlackを、ユーザー個人としてどのように捉えて活用していくのかという話をしたいと思います 情報浸透の型について これはSlackに限らずなのですが、組織内においてどのように情報が浸透していきますか?という話です 私達はSlackで日々のコミュニケーションを行いながら情報をワークスペースに蓄積するという意識で使っています 一方で、メール文化のようにホワイトリスト形式(情報の受信者を発信者側でコントロールする方法)でのコミュニケーションでは、受信した人は発信された内容を理解していることが求められることが多いのではないでしょうか かつて私達も通ってきた道ですが情報量が増えるにつれて現実的ではなくなりました。 この際に文化として分かれていくのが、メール運用の型は崩さず、受信者をより細かくコントロールする形式になるか、情報の風通しを良くして必要な時に必要な情報にアクセスできるようにするのかという分岐点があります。 情報の受信者を細かくコントロールするようになると、日々のコミュニケーションによりデータサイロが作られることが状態化し、上下の情報の非対称性によって権力勾配が出来てしまうみたいな環境要因を生み出す可能性があります。 Slackを活用することによって、このような非効率なやり方から卒業し、情報統制ではなく情報活用によって組織のイノベーションを促していくという流れが来ているように感じています 閉鎖系から開放系に変わった組織ですべきこと ここでは非常に大きな飛躍が生まれます。閉鎖系で育ってきた人に取っては、受け取れる情報についてはすべて頭に入れなければならないと信じていますから、その文化からの脱却が争点となります Slackで見える情報すべてを頭にいれるというかつての行動を実践すると何が起きるかというと、情報の海に溺れてしまいます そうならないためにどのように意識を変えていくかを考えていきましょう Slackに情報を蓄積していく Slackには日々のコミュニケーションを通して情報が蓄積されていくプラットフォームです。 そのため、利用者には発信を促すことになる訳です 組織内の皆さんの発信が、組織の血となり肉となる。そういうツールです。 発信の促しが成功すると、情報量のカンブリア爆発が起こります 組織内にこんなにも情報があったのかと驚きさえするのではないでしょうか これが組織の筋肉かと、その躍動感に圧倒されてしまう訳です 情報量は日々増加していきますが、これを一人の頭の中にすべて入れることは出来ません。そういうものなのです ここには180度転換するくらいの意識の改革が必要です。一人でそういう意識になっても周りがそうなっていないと孤立してしまいます だからこそ私達のようなSlack導入支援のプロにハンドリングしてもらうということが功を奏します Slackから情報をインプットするのではなく、あなたもSlackに情報をアウトプットしていく。そしてその情報が必要な時に取りに行く事が出来るというのがSlackの真骨頂です。 あなたに必要な情報はこれですか? 少し未来の話をします。 Slackには御存知の通り(?)Slack AIという機能が搭載され、生成AIがユーザーのお世話をしてくれるようになっています。 コンテンツの要約や、まとめ機能によって蓄積された情報が適切な粒度に整えられあなたの手元に届きます もう少し将来の話をすると、AIは今後自律的に働くエージェント方式に変わっていくでしょう 自分が動く前にAIが動いてくれているという状態が確実にやってきます その時代にはより多くの情報があなたの手元に届くようになっていることでしょう。 手を伸ばせば知ることが出来る情報が溢れているのです。 そんな時にAIは提案するようになります。あなたが必要な情報はこれですか?と。 時代は圧倒的に動き出している この激動の時代は、コラボレーションが適切に行われないと乗り越えることは難しい時代だと言えるでしょう Slackを使うことで、人間同士での助け合いが出来るようになった組織も少なくないと思います 今後はそのコラボレーション先にAIも加わってくる、それだけの話しですが、とても大きなインパクトを持つようになるでしょう その日に向けて今できることは、Slackの捉え方を変えていくことです 情報量に溺れるのではなく、情報を蓄積しておくのである 情報に溺れてしまうのは、そこにある情報をすべて頭に入れようとしているからでしょう Slackへの向かい方についてもアップデートし、日々健やかに仕事が行えるように組織もアップデートしていきたいものです。

SlackとSalesforceを連携させる方法:2024年9月ver.

2024-10-04T11:01:21+09:00

SlackがSalesforceによる買収が完了したのは2021年7月です。すでに3年以上が経過し、SlackとSalesforceの連携にもいくつかの方法が出てきました。 2024年9月時点で利用できるSlack-Salesforce連携について紹介したいと思います SlackをSalesforce連携すると何が嬉しいのか Salesforceは色々なことが実現できるツールで、Webアプリで何でもできてしまうといっても過言ではありません それはそれで便利なのですが、便利故にシンプルに記録を残したいという動機でSalesforceを開くと、全然関係ないデータも目に入り気が散ります そこで、弊社ではSlackアプリを作って簡単に記録が出来るようにするといった、やりたいことによって機能を絞り込んだアプリを作ってSlack上から情報を登録するというような事を行っています。 SlackからのSalesforce連携は、やりたいことをシンプルに・短時間に実現するために利用できると思ってください。 連携方法 ノーコード Slackアプリを使う Salesforceのフローを使う Slackのワークフローを使う Slack Sales Elevateを使う Slackアプリを開発して使う SlackアプリでSalesforceと連携する Salesforce連携にはSalefsorceが提供する純正Slackアプリが便利です 純正アプリを設定することで出来るようになることは2つあります 一つは、Slackのスラッシュコマンドから機能を呼び出すことが出来ます もう一つは、Salesforceのフローからの呼び出しに利用するという使い方になります。これは後述しますが、Salesforce側からプッシュして情報を投稿する際に投稿ユーザーとして使われます。 何が出来るの? Salesforceのレコードを検索する パイプラインを表示する 販売チャンネルを作成 レコードを作成する 組織の管理 Salesforceのフローを使う Salesforceのフローを使ってSlack側にデータを送ることが出来ます。 例えば商談のフェーズが更新された時に、その商談の情報をSlackに投稿したいという場合にフローを使うとノーコードで簡単に情報を送ることができます。 Salesforceのフローのアクションノードの中にSlackに関する設定がありますので、これを使って欲しい機能を実装する形になります。 Slackアクションノード Slackチャンネルをアーカイブ ユーザーがSlackに接続されているかどうかを確認 Slackチャンネルを作成 Slackの会話に関する情報を取得 [...]

Slackの導入で失敗しがちなパターンはどこにあるのか

2024-09-30T17:42:25+09:00

Slack導入2024年の最新事情についてはこちらをご参照ください 2024年に入り10社程度のSlack導入支援や再起動を行ってきました。今回はこの経験を元に、どのような時にSlack導入が失敗しやすいのかについてお伝えしていきたいと思います。 Slackの導入に失敗するケースは? 電話での問い合わせから抜けられない Slackを導入したにも関わらず、担当者への質問が電話で飛んでしまいというパターン 利用開始当初にSlack上に情報を蓄積するという意識を持たせないとこのパターンに陥ってしまう Slackで質問する事によって情報が蓄積されるというのはその通りなのですが、ここで大事なのが「質問をしてくれる人」です よくある質問については、回答出来る人があらかじめ投稿しておくというのも一つのやり方としてはありますが、質問をしてくれる人が現れた時はぜひたくさんの人からスタンプを付ける等で支援をしてあげるようにしてみてください。質問が良く集まるカルチャーを作っておくことによって、自然とSlack上に知見が蓄積され、検索によって課題が勝手に解決していくという状態に持っていくことができるはずです 情報量が多すぎてSlackを使うのがしんどい Slackの活用が進んでいくとSlack上に蓄積される情報量が自然と増えていきます このタイミングで「しんどい」状態になる組織によく見られるキーワードが「未読管理」です Slackを活用するにあたって未読管理という概念を提唱し始めると黄色信号だと思ってください Slackは元来、すべての情報をしっかり読むというツールではありません。未読状態の情報が存在するのが当たり前なのです すべてを読むことが出来ているというのは、そもそもSlackの活用度合いが低いか、たまたま読む時間が膨大にあったかのいずれかになるでしょう 未読の投稿があるとチャンネル名が太字になるため、それを読まなくてはならないと思いがちではあるのですが、そんな必要はありません 本当に必要なのは「アクティビティ欄」に数字アラートがついていない状態を保つ。これだけです Slackでは所属するチャンネル数は常に増えていってしまいますから、無理せずに使うようにしましょう こちらのテーマについては以下のコンテンツで詳しく書いています。お時間ございましたら御覧ください 潔癖な人ほど #Slack が嫌いになってしまうから プロフィールの設定が適当になっている これも意外とあるあるです。プロフィールの設定が適当になっているという状態 1️⃣ プロフィール画像がデフォルトのまま 意外とありますデフォルトアイコンのまま放置されているユーザー これは組織全体のSlack活用の気力を削ぐ原因になりますので、確実に潰しておきたい要件です 自分の顔写真を設定するのが嫌というパターンは当然あると思いますが、今現在は簡単に写真をイラスト風に加工してくれるようなアプリも存在していますので、写真がどうしても嫌という人にはそういった加工も許可して許容するという使い方にしましょう なぜそれが重要なのかというとSlackにはSlackコネクトという外部のワークスペースとチャンネルを共有する機能があります。これを使うと、社外の人がプロフィールを目にする訳です。円滑なコミュニケーションを考えた時にデフォルトアイコンだと視認性が悪く、そもそも記憶に残りません。ぜひアイコンの設定をお願いします。 デフォルトではないけどアイコンが著作権を犯している場合 これは要注意です。好きなキャラクターのアイコンを使ったりしていませんか?こちらについては社外から見られる可能性がある以上、組織のコンプライアンスどうなってるの?と疑問を持たれる可能性があります。気をつけるようにしてください 2️⃣ 表示名と氏名欄に漢字しか入っていない こちらも意外と多いのですが、漢字のみではなくローマ字表記を入れるようにしましょう。 特におすすめなのが「ローマ字表記 + 漢字」の組み合わせです 私の場合でいうと George YOSHIDA / 吉田 丈治  リバネスCIO といった形です。 これをすることによってメンション効率がとても良くなります。特に最初にローマ字名を置いておくことをおすすめしています @ge くらいまで打つだけでメンション候補に名前が上がります。 もし漢字しか登録されていない場合どうなるかというと @吉田 と書かなくてはならず漢字の変換という手間が発生します。 吉田ならまだマシですが、例えば斎藤や渡辺さんがいた場合はどうでしょうか。 漢字のパターンが多すぎますし絶対にヒットしません。メンションしたいだけなのにめちゃくちゃ時間がかかることは必至です。 そうなっていない場合は是非ご検討ください。コミュニケーション効率が上がりますよ。 まとめ [...]

Slackの導入支援を通してたどり着いた2024年最新情報

2024-09-30T17:37:34+09:00

Slackが登場してから10年が経ち、Slack AIをはじめとする多くの機能が追加されてきました。当初は主にIT志向の組織で使用されていたSlackですが、現在では幅広いユーザー層に浸透しています。機能の進化に伴い、Slack導入支援の重要性が高まっており、適切なサポートによってスムーズなSlack活用が可能となっています。 → リバネスナレッジのSlack導入支援 日本の組織におけるコミュニケーションの課題 日本の組織の特徴として、クローズドなコミュニケーションが多いことが挙げられます。いわゆる「縦割り組織」はその典型例で、コミュニケーションにかけた時間(コスト)が効果的に再利用されていないのが現状です。Slackを導入してコミュニケーションチャネルを統一することで、このコストを組織の資産として活用するための動きが広がっています。 オープンなコミュニケーションの重要性 Slack上でのコミュニケーションにおいて、DMの利用が多くなりがちですが、これは公開された情報ではないためSlackの検索結果には現れず、コミュニケーションコストの回収が難しくなります。2024年以降のビジネスシーンでは、いかにオープンなコミュニケーションを実現するかが組織の重要な課題となっています。 Slack AIと情報の蓄積 Slackは過去のチャットログを検索し再利用できるよう設計されてきました。2024年には、この検索機能が生成AIによってさらに進化を遂げています。Slackで蓄積された情報をもとにRAG(Retrieval-Augmented Generation)を実現し、生成AIが最適な情報をアウトプットする方向に進んでいます。 情報蓄積の課題と解決策 Slack AIの活用は、蓄積された情報が多い組織ほど効果を発揮します。しかし、過去のやり取りの正確性や、情報を誰が証明するのかという課題があります。また、情報蓄積にはコストがかかるため、経験の浅い社員が担当することも多く、これが将来的な組織の負債となる可能性があります。 新しいコミュニケーション手法 Slack導入支援を通じて、以下のようなコミュニケーション手法にたどり着きました: 情報は生データで蓄積する(例えば録音/録画データ) サマリーは人間ではなく、AIが行う(文字起こし&議事録変換) 人間は情報に自分が考えていた意図を付与する役割を担う 事実の蓄積はAIが行い、個人の意図や所感を付加して蓄積する これらの方法により、必要十分な情報をバイアスなく蓄積することが可能になります。 生成AIとの協働 現時点で、生成AIとの効果的な協働方法を描けている組織は多くありません。しかし、生成AI活用は人間の時間効率を劇的に向上させ、組織に正確な情報を蓄積するための鍵となるでしょう。 詳細をこちらで語っています 当テーマについては、SFUG CUP2024にて準優勝を獲得しています リバネスナレッジのSlack導入支援 リバネスナレッジでは、2015年からSlackを利用し始め、数々のSlackアプリを提供してきた経験があります。この豊富な経験を活かし、Slack導入支援プランとして提供しています。 最新のコミュニケーション手法を取り入れ、組織の生産性を向上させたい方は、ぜひリバネスナレッジにお問い合わせください。私たちの経験と知識が、皆様の組織変革をサポートいたします。 → Slack導入・活用支援サービス 後日追記:「Slack導入の失敗につながる落とし穴」を追加しました

ChatGPTや生成AIをSlackから使うことで得られる効果について

2023-11-05T09:20:24+09:00

ChatGPTというキーワードを聞いたことがない人はもう多くは無いでしょう。かく言う弊社では、2022年11月に初めてChatGPTアプリをリリースし、延べ利用人数は5000人を超えて成長中です。 ChatGPTをSlack上で使える無料アプリ「Party on Slack」がAnthropic及びAmazon Bedrockに対応し、Claude及びStable Diffusionが利用可能に SlackでChatGPTと会話ができるアプリ - Party on Slack 生成AIは業務に利用できるのか では、もはや当たり前となりつつある生成AIですが、果たしてこれを業務に利用できるのかというのが、このページの読者の気になる所でしょう。 一つの返答としては身も蓋もないのですが「使えると言えば使えるし、使えないと言えば使えない」と表現するしかないのが現状です。 なぜかと言うと、生成AIは何を元に生成するのかというと「言葉」です。(生成AI文脈でいうとこの言葉=プロンプト(指示語)と呼ばれています。) このプロンプトを的確に表現できるかどうかで、あなたが得られる情報に雲泥の差がつく、それが生成AIだと言えます。うまく使える人と使えない人の間には、プロンプトの生成能力に雲泥の差があるのだと言えます。 これが先程書いた「使えると言えば使えるし、使えないと言えば使えない」の中身です。 さて、このプロンプトの生成能力が業務にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするために、いくつかの具体的な使用例を考えてみましょう。 カスタマーサポートの効率化 例えば、ChatGPTをSlackに統合することで、カスタマーサポートチームがよく受ける一般的な質問に対する自動応答が可能です。Slack内もしくは、過去のサポート内容のDBをChatGPTに読み込ませることによって、ユーザーに返答するためのテキストを自動生成することが可能になります。 これにより、エージェントはより高度な問題に集中することができ、全体の効率が向上すると言えるでしょう。 ドキュメントの生成と整理 ドキュメントや報告書を作成する際にも、生成AIを活用することで、時間を大幅に節約することができます。特に、定型的な文書やテンプレートを生成する作業は、AIが得意とするところです。前述したParty on Slackでは、音声ファイルをWhisper APIを使うことで文字起こしすることができます。人間同士の会話をただ文字起こしした文章は読むのに適しているとは必ずしも言えないのですが、これを生成AIで要約することによって、長時間かけて議論した流れを一瞬で文章化することができるようになります。 コードレビューとバグトラッキング 開発者は、ChatGPTに特定のプロンプトを与えることで、コードの品質をチェックしたり、バグを特定するのに役立つフィードバックを得ることができます。特に長いプログラムに関しては、入出力トークン数が10万であるAnthropic の Claude APIを使うことで解析することが可能になっています。リバネスでは、プログラマではないスタッフが、Google App Scriptを書いて作業を効率化する試みをするなど、プログラミングの民主化と言えます。 プログラミング領域についてはSlack上でやらずとも、エディタが生成AIを取り込んでいることもあるため、その作業効率は格段に向上していると言えます。 いずれのケースも、プロンプトの設定と運用が鍵となります。うまくプロンプトを設定できれば、業務の質と効率が飛躍的に向上するでしょう。 ただし、生成AIはあくまでツールであり、人間の裁量や専門知識を完全に置き換えるものではありません。したがって、適切なバランスと監視が必要です。 今後、ChatGPTや他の生成AIがどれだけ進化しても、その使い方一つで成果が大きく変わるという事実は変わらないでしょう。この技術を最大限に活用するためには、まずはその可能性と制限をしっかりと理解することが重要です。 Slack上で生成AIを使い始めることの意味 生成AI自体に触れたことのある人の割合はそこまで高くありません。PwCが発表した資料によると54%の利用に留まっているとされています。 この状況において、生成AIを業務にどう活用するかという問いが重要になります。 生成AI活用のハードルとその克服 一般に、生成AIの活用レベルは人それぞれで、プロンプトの書き方一つで大きな違いが出ます。多くの人が「自分はプロンプトを上手く書けないから生成AIは使えない」と早計に判断してしまいますが、それは時期尚早です。 知見の共有が鍵 どんな組織にも新技術に興味を持つ人はいるでしょう。そういった人々の知見や成功事例をSlack上で共有することが、生成AIの業務活用を加速させる鍵だと私たちは考えています。 Slackの利点 Slack上で生成AI、特にChatGPTを使用する最大の利点は、その使い勝手です。Slack自体がチャットベースのUIであり、ChatGPTも自然に統合されているため、使用に違和感はありません。さらに、スレッド内での過去の会話が記憶され、ChatGPTはそれに応じた返答ができます。 ツールの一元化 また、多くの人は複数のツールを使うことにストレスを感じるため、ChatGPTをSlack内で使用できるというのは重要なファクターです。これによって、生成AIが日常業務に自然と組み込まれ、活用されやすくなります。 以上がSlack上で利用する事をおすすめする理由です。 加えて別の味方から生成AI活用について考えてみましょう。 ROI(投資対効果)について 現在日本語で使える且つ簡単にサインアップして利用をスタートできる生成AIとしては以下のサービスが考えられます テキスト生成については OpenAIもしくはAzure OpenAIを使ったgpt-3.5もしくはGPT4 [...]

デジタル化の推進

2022-08-19T16:11:24+09:00

リバネスでは2014年より本格的なデジタル化を推進してきました。 それまで社内には統合されたデータベースというものは存在せず、エクセルが散在し、情報の集約に時間を要していました。マネージャーは本来やるべきことより情報をまとめることに時間を割くようになってしまったことで、組織のボトルネックが顕在化しつつあったからです。 スプレッドシートは強力なツールで、オンラインで共同編集が出来ることもあって長い間重宝されてきましたが、情報量が増えると処理に時間がかかるようになったり、一人の人が起こしたエラーで全体が使い物にならなくなったりと、やはり時間が無駄にかかるようになってきました。組織が大きくなる事で現れたボトルネックはすべて自社のデジタル化環境によるもので、これを刷新しないことには次のステップへ行くことは出来ないと考えた訳です。 リバネスのDXで重視したのはなにか 情報を扱っていて思う一つの大事な事が何かというと、情報をまとめるというのには時間がかかるということです。この時間を削減する必要がありました。そこでリバネスでは、データの基幹をSalesforceに移すことを決め、あらゆる情報をSalesforce上に統合していくことになります。 最初は取引先や名刺交換で獲られた人の情報、及びそこに紐づく商談の情報のみしかなかったSalesforceに、スタッフの査定情報、勤怠管理、マーケティングオートメーションツールから獲られるWebサイトのアクセス情報、会員サイトの会員が登録した情報などを統合していきました。 そうすることで何が起こるかと言うと、Salesforce上で検索すればあらゆる情報にアクセスできるという状態を作ることができるのです。 もちろんSalesforceのみである必要は無いのですが、1つのプラットフォーム上にあらゆるデータが統合されているという状態は非常に便利です。検索をすれば情報がヒットする訳ですから。 リバネスのDXで達成したこと 最初は商談管理の為に導入したSalesforceですから、当然商談管理については大きなインパクトがありました。それまでは数字を合わせるという作業に時間が取られていたのが、そこにかける時間が0になることで戦略を考える時間が持てるように変化が起こりました。それまでどんぶり勘定と言わざるを得なかった事業計画も、実績を元に算出した数字を達成できるようになっています。2014年当時に危惧していたボトルネックは解消され、売上は当時の3倍を超えて成長しています。 情報を見ることにストレスが無くなるというのは非常にパワーを与えてくれるといえます。 能動的なアクションを必要としない環境へ Salesforceを活用する利点は、Salesforce自体に計算処理能力を持っているという点が挙げられます。つまり、集まった情報をSalesforceの計算資源を使って加工し、出力することが出来ます。情報は定期的に実行されるバッチ処理によってプッシュ配信することも出来ますし、Salesforce上に作ったカスタムページに必要な情報を適宜配置して確認することも出来ます。 自社のみがもつサーチエンジン リバネスの例で言えば、私達のSalesforce上には研究者から寄せられた情報が多数登録されており、これは年々情報量を増しています。 Salesforce上につくった検索エンジンを使って検索することで、特定のキーワードにひっかかる研究者を簡単に抽出することができるという状態が作られています。 これらの情報によって抽出されたリストを使ってメールを配信するというようなアクションも、ほんの数分で実現することができるのです。 DXのゴールはなにか Salesforceを使っていると、高いのではないか?という話になるということはよく聞きます。高い、つまりコストパフォーマンスが悪いのではないかということなのですが、当然使い方によってはコスパが悪いという状態になるでしょう。デジタル化に使うプラットフォームがどこまで使えるのかを把握し、100%以上使い倒す事ができればコストパフォーマンスが気になるということはなくなるはずです。 そのためには、DXの全体像を大きく捉え、将来的にどこまで行きたいのかを想像する必要があります。そこに向けてデジタル化を進めていくのです。 もちろんDXの始めたての頃はコストパフォーマンスが良いとは言えないかもしれません。DXは一朝一夕でなるものではなく、マラソンに近い活動だと言えます。自社のデジタルアセットが統合されることによってどのように変化が起こるのかを共有し、そこに向けて走り続ける事でいつの間にかDXが達成されているのではないかと感じています。 もちろん我々リバネスのDXも道半ばです。これからもっと強力なツールに育て上げることで事業推進に貢献できるようになるでしょう。 リバネスでは2014年より本格的なデジタル化を推進してきました。 それまで社内には統合されたデータベースというものは存在せず、エクセルが散在し、情報の集約に時間を要していました。マネージャーは本来やるべきことより情報をまとめることに時間を割くようになってしまったことで、組織のボトルネックが顕在化しつつあったからです。 スプレッドシートは強力なツールで、オンラインで共同編集が出来ることもあって長い間重宝されてきましたが、情報量が増えると処理に時間がかかるようになったり、一人の人が起こしたエラーで全体が使い物にならなくなったりと、やはり時間が無駄にかかるようになってきました。組織が大きくなる事で現れたボトルネックはすべて自社のデジタル化環境によるもので、これを刷新しないことには次のステップへ行くことは出来ないと考えた訳です。 リバネスのDXで重視したのはなにか 情報を扱っていて思う一つの大事な事が何かというと、情報をまとめるというのには時間がかかるということです。この時間を削減する必要がありました。そこでリバネスでは、データの基幹をSalesforceに移すことを決め、あらゆる情報をSalesforce上に統合していくことになります。 最初は取引先や名刺交換で獲られた人の情報、及びそこに紐づく商談の情報のみしかなかったSalesforceに、スタッフの査定情報、勤怠管理、マーケティングオートメーションツールから獲られるWebサイトのアクセス情報、会員サイトの会員が登録した情報などを統合していきました。 そうすることで何が起こるかと言うと、Salesforce上で検索すればあらゆる情報にアクセスできるという状態を作ることができるのです。 もちろんSalesforceのみである必要は無いのですが、1つのプラットフォーム上にあらゆるデータが統合されているという状態は非常に便利です。検索をすれば情報がヒットする訳ですから。 リバネスのDXで達成したこと 最初は商談管理の為に導入したSalesforceですから、当然商談管理については大きなインパクトがありました。それまでは数字を合わせるという作業に時間が取られていたのが、そこにかける時間が0になることで戦略を考える時間が持てるように変化が起こりました。それまでどんぶり勘定と言わざるを得なかった事業計画も、実績を元に算出した数字を達成できるようになっています。2014年当時に危惧していたボトルネックは解消され、売上は当時の3倍を超えて成長しています。 情報を見ることにストレスが無くなるというのは非常にパワーを与えてくれるといえます。 能動的なアクションを必要としない環境へ Salesforceを活用する利点は、Salesforce自体に計算処理能力を持っているという点が挙げられます。つまり、集まった情報をSalesforceの計算資源を使って加工し、出力することが出来ます。情報は定期的に実行されるバッチ処理によってプッシュ配信することも出来ますし、Salesforce上に作ったカスタムページに必要な情報を適宜配置して確認することも出来ます。 自社のみがもつサーチエンジン リバネスの例で言えば、私達のSalesforce上には研究者から寄せられた情報が多数登録されており、これは年々情報量を増しています。 Salesforce上につくった検索エンジンを使って検索することで、特定のキーワードにひっかかる研究者を簡単に抽出することができるという状態が作られています。 これらの情報によって抽出されたリストを使ってメールを配信するというようなアクションも、ほんの数分で実現することができるのです。 DXのゴールはなにか Salesforceを使っていると、高いのではないか?という話になるということはよく聞きます。高い、つまりコストパフォーマンスが悪いのではないかということなのですが、当然使い方によってはコスパが悪いという状態になるでしょう。デジタル化に使うプラットフォームがどこまで使えるのかを把握し、100%以上使い倒す事ができればコストパフォーマンスが気になるということはなくなるはずです。 そのためには、DXの全体像を大きく捉え、将来的にどこまで行きたいのかを想像する必要があります。そこに向けてデジタル化を進めていくのです。 もちろんDXの始めたての頃はコストパフォーマンスが良いとは言えないかもしれません。DXは一朝一夕でなるものではなく、マラソンに近い活動だと言えます。自社のデジタルアセットが統合されることによってどのように変化が起こるのかを共有し、そこに向けて走り続ける事でいつの間にかDXが達成されているのではないかと感じています。 もちろん我々リバネスのDXも道半ばです。これからもっと強力なツールに育て上げることで事業推進に貢献できるようになるでしょう。 事例に戻る [...]

データドリブンはもう古い!?TableauとSlackでアクションドリブン組織へ

2022-05-13T18:44:48+09:00

TableauとSlackを組み合わせることで、意思決定を加速し、アクションにつなげるコミュニケーションを生み出すことが出来るという事例です。 リバネスでは、あらゆるデータをSalesforce上に格納しています。Salesforceに格納されたデータをTableauを使って可視化するという使い方をしています。 データドリブン組織(経営)とはなにか その名の通り、データを元にした意思決定をする組織です。と、一口に言っても、何をデータとして格納していくのかは組織によっても変わってきますし、効果的なデータが取れているかどうかを判断し、日々改善していくといった運用の工夫も必要になってきます。 Salesforceを使っていると、日々の最新情報や、経時変化(事例:Salesforceはスナップショットを使いこなしましょう 参照)の情報を簡単に見ることが出来ます。Salesforceからも具体的にダッシュボード例が紹介されていますので、興味があればこちらをご覧ください。「営業の見える化」 に役立つダッシュボード6選 これらのダッシュボードを整備し、定期的に確認をしながら、その後のアクションについての意思決定を行う。そのあたりがデータドリブン経営のとっつきやすい入り口になります。 データドリブンの成れの果て 私自身(吉田丈治)もそうですが、ダッシュボードを作り始めると、データを色々な角度から分析して見たくなります。ダッシュボードには様々なデータが紐付けられ、ボタンクリックでフィルターがかかりグラフが動的に変化する。様々な分析をすることが出来るゴージャスなダッシュボードがいつしか出来上がる、そんな経験がある人がいるのではないでしょうか。 凝ったダッシュボードを作ることで生まれるのは、情報の齟齬です。人によって何を見て何を得るのかが一意にならなくなってしまいます。情報が複雑化すればするほど色々な解釈が出来るようになっていき、一つの方向を向かせるためのダッシュボードではなくなっていきます。 ダッシュボードを分解せよ このような状態になってきた場合におすすめしているのは、ダッシュボードの分解です。 ある特定のタイミングで必要な情報というのはそんなに多くないと個人的には思っています。 例えば、マネージャーが商談の状況を確認する場合を想像して下さい。今必要なのは、部下に檄を飛ばす必要があるかどうかの判断材料です。 ダッシュボードを開くと、あらゆる情報がきれいにまとまった豪華なダッシュボードが出てきますが、必要な情報はそのダッシュボードの中のほんの一部でしかありません。オーバースペックなダッシュボードは開くのに時間がかかり、日々のオペレーションで少しずつストレスが溜まっていきます。 こんな風になってはいないでしょうか?データドリブンがうまく走ってくると、段々と特定のタイミングで必要な情報がなにかが分かってきます。 リバネスではこうなったタイミングで情報を分解していきました。特定の部門のマネージャーが自分の部門の売上推移を知りたいのであれば、その部分だけ切り出した情報を提供することができれば、最小単位で最大効率の情報伝達が可能になります。 最小単位で最大効率の情報伝達 データドリブンの究極系は、一度最大化したダッシュボードを局所最適に分解する事だと言いました。 ここからは、情報伝達からアクションに移す流れを最短距離に縮めていく手法について書きたいと思います。 リバネスではコミュニケーションの中心はSlackを使っています。Slackを使って組織を、人を動かすのが今回のゴールです。 Slackの課題は何でしょうか。それは情報量が多すぎることです。必要な情報から些細な情報まで多くの情報が飛び交います。その為、情報の伝達効率という意味では薄くなりがちなのですが、そこで活躍するのがTableauです。 Tableauでビジュアライズしたダッシュボードはこのように画像として配信が出来ます。 画像をSlackに配信することで何が良いかというと、一瞬で必要な情報が頭に入ることだといえます。忙しく、情報があふれる毎日の中において、情報の取得コストを如何に下げていくのかを考えることで、より効果的な組織運営が出来るようになると言っても過言ではありません。 画像からアクションへ これはあくまでも画像です。Tableauの画面のようにクリックしてフィルタが効くというような使い方は出来ません。しかし、だからこそ一意に情報を伝えることが可能になります。 一意な情報が伝達すると何が起きるかというと、アクションが始まります。Slackに流れた情報を元に意思決定が即座になされ、関係者に指示が飛ぶように変わっていきます。打ち合わせの時間をあえて取る必要もなく、何をすべきかが決定されて実行されるようになります。 これこそがアクションドリブン経営だと私が個人的に考えています。 アクションを忘れないために とは言え、Slackはメンションした会話がそのまま忘れ去られれてしまうことが少なくありません。 これを解決するためのアプリケーションを作りました。それはまた別の実績でお話したいと思います。

Salesforce活用:スナップショットを使いこなして経時変化を追うには

2023-10-26T11:22:39+09:00

Salesforceでレポートやダッシュボードを作成すると最新情報による情報を可視化することが出来ることはご存知だと思います。 一方で、事業をやっていると、最新情報のみではなく、これまでの経時変化を見てみたいと思う瞬間が少なからず発生するはずです。Salesforceは何も設定していないと経時変化のような情報を取ることが出来ません。そこで利用するのが「レポート作成スナップショット」です。 この機能を利用することでSalesforce上で、経時変化をデータとして保存することができます。 以下は日次データを保存した結果をレポートにしたものですが、このような形で可視化できるようになります。 データの取得間隔は最短で1日です。 なぜスナップショットという機能が必要なのか 例えば、年間の積算売上であったり、年間のサービス利用者数でも良いと思います。 Salesforceは最新の情報しか見ることが出来ません。去年のデータを取得したいと思っても、最終的な状態を知ることしか出来ません。 データの分析を考える上でそれだけでは物足りないことがままあります。 年間を通して売上がどのように変化してきたのか。利用者数が増加・減少するタイミングや季節はあるのか。こういった情報を後で手に入れようとしても難しいのがSalesforceです。(Salesforceというより、どんなデータベースでも同様です) 利用事例 最も利用価値が高いのは売上推移の情報です。リバネスでは毎日スナップショットを取っており、過去数年間のデータが残っています。いつ頃、どの程度の売上が発生していたのか、季節ごとの傾向がどうなっているかといった情報を取得することが出来るようになっています。 事業計画に対する進捗度合いがすぐに分かるため、その後のアクションに対する意思決定スピードが向上します。 売上推移のように長期的なもの以外にも、あるイベントの参加人数募集がかかっている場合に、申込み人数の推移を可視化することで、短期的なゴールに向けたアクションが可能になったり、問い合わせ件数(ケース件数)の処理数の推移を測っておくことで、対応スタッフ数の適切な人数を割り出すことが可能になります。 それでは実際にどのように作っていくのかを解説します。 レポート作成スナップショットの作り方 Trailheadからなにかちょうどよいものを引っ張ってこようと思っていたのですが意外となかったので書いておきます。 まずはレポートを作成しましょう スナップショットはレポートを元に作られます。 レポートは、集計したいオブジェクトを対象にして作ります。 商談の売上金額の推移を取得したい場合は、商談のレポートを作って下さい。リバネスの場合はこのような形式になっています。 集計レポートですので、何かしらの項目でグループ化する必要があります。商談は会計年度毎に集計することが多いと思いますので、会計年度でグループ化しました(左上)。表示列には、売上系の項目を入れています。 【商談単体】金額がいわゆる金額(Amount)項目です。事業部別売上(集計用)は、数式によって事業部毎の売上金額が入るようになっていて、全社的な売上に加えて事業部別の売上推移もスナップショットで取得するようにしています。 レポートを作ったら正しく集計されているか数字を見て確認しましょう。問題がなさそうであれば、このレポートをもとにスナップショットをつくります。 スナップショットのイメージは、今レポートで表示されている数字がそのまま記録に残ると思ってください。売上推移であれば当然数字は日々動いていきます。その瞬間の数字が記録として残るのがスナップショットなのです。 レポート作成スナップショットを作る レポートを作ったら、次はスナップショットを作ります。 設定画面>機能設定>分析>レポート&ダッシュボード>レポート作成スナップショット を開いて下さい。 スナップショット名及び一意の名前は任意です。 実行ユーザは専用のユーザが用意できる場合は専用ユーザ。出来ない場合もできるだけ退職しないアカウントで作りましょう。オブジェクトへのアクセス権限も必要です。 ソースレポートには先程作ったレポートを設定します。 対象オブジェクトはスナップショットのデータを格納するためのオブジェクトです。 存在していませんのでオブジェクトを作成して下さい。 今回は商談の金額を格納する為のオブジェクトですので、商談スナップショットオブジェクトを作成し、金額という項目を一つ作っておけば大丈夫です。上述したように事業部毎の金額も格納したいという場合は、それを入れるためのカスタム項目を追加しましょう。こんなイメージになるはずです。 次に、項目の割当を行います。 今回は特にグループごとの小計を使う予定はありませんので総集計を選びます。 もし会計年度以外の要素でグルーピングした場合は、それらの小計を入れることも可能になります。 下の方が割当項目です。スナップショットの各項目を左側で選択し、右側が格納先オブジェクトのカスタム項目になっていてそこに割り当てていきます。 注意点としては、数値項目はテキスト項目には代入出来ないといった型をあわせる必要がありますので、もし割り当てたい項目のところにほしい項目が表示されないという場合は項目の型をチェックしてみてください。 最後に、実行間隔を決めましょう。以下の条件では、毎朝7時に実行することになっています。 以上が設定方法です。 スナップショットのデータを活用する ここまででスナップショットの設定は出来たと思います。実際にデータが格納され始めたら、それを使って可視化をしましょう。 Salesforceのレポートを使ってグラフ化する所から初めて、Tableauを使ってもっとグラフィカルなグラフを作ることも可能です。 一番大事なのは、データを使ってアクションに結びつけることです。可視化された情報を使って人を動かすことができれば組織のスピードに圧倒的な向上が見込めます。 お気軽にご質問ください! [...]

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