Leave a Nest KNOWLEDGE

CONNECTIONS

知識は、つながって、おどる。

人、思想、記事、対話、技術、プロダクト、顧客との実践。
リバネスナレッジに存在する知識の関係を、ひらき、たどり、巡らせる場所。

CONNECTIONS Summer #2 の問い

AIを育てると、 なぜ人が育つのか?

前号で「AIが仕事をする時代に、人は何を見つけるのか」と問いました。夏のあいだにメンバーが書いたものを並べてみると、答えは少し意外なところにありました。 私たちは「AIを育てる」という言い方を、あたりまえに使っています。けれど、手をかけたぶん賢くなったのは、モデルではありませんでした。AIに仕事を渡した人と、その人がいる組織です。速くなったぶんだけ、確かめる、決める、引き受ける——その仕事が、人の手もとに積み上がっていくのです。 Summer #2の7本は、どれもこの現象に触れています。今号には、新しい声がふたつ。8月に加わった高木と、AI駆動開発をともにするパートナー、エレクトリック・シープ。この夏のフレッシュな記事をお届けします。

PERMALINKこの号(Summer #2)の固定URL

MEMBER PERSPECTIVE

note / 2026.08.22

SlackはAIの覇者になるわけではない。AIがどれだけ増えても最後まで残る、「人間との接点」の覇者になるのだと思う

Slackは「人間との接点」の覇者になる: AI時代に組織のDNAを残す場所はSlack

吉田 丈治

Claude CodeやCodexが「用事があるときに行く場所」なら、Slackは「息を吸うように使う場所」。個人のAI活用を組織の再現性に変える場所はどこかを論じる、AI時代のSlack論。

WHY NOW — なぜ、いま

育つのが人と組織なら、その育つ場所はどこか。今号の問いの足場になる一本です。Slackを商う会社の我田引水に見えたら、お使いの道具に読み替えてください——問いは変わらないはずです。逆向きの実感も、棚に残してあります。

MEMBER PERSPECTIVE

note / 2026.08.05

育つのはモデルではありません。育つのは、モデルの周辺に構築されるシステムであり、人工知能を使う人間であり、それを業務に組み込む組織です。

人工知能は「育てる」ものなのか——企業の生成AI活用で、本当に成長するもの

平塚 武

「AIを育てる」と言うとき、実際に育っているのは何か。メモリ・スキル・グラウンディングを整えてもモデルは成長しないという気づきから、評価基盤・権限設計・人間の熟達までを整理する。

WHY NOW — なぜ、いま

「AIは期待ほどの成果を出していない」という声が、世界で強まっています。多くは、育てる相手の見立て違いでした。今号の問いは、この論考から生まれました。

PARTNER PERSPECTIVE

note / 2026.08.17

承認の主体には、責任を負う人格が要るからです。

コードレビューは何を担保していたのか?AI時代のレビュー再設計

株式会社エレクトリック・シープ

AIで実装が速くなるほど、レビューがボトルネックになる。コードレビューが一括で担保してきた機能を分解し、機械と構造に割り振り、人には判断と承認責任を残す再設計論。

WHY NOW — なぜ、いま

今号から、初めて社外の書き手が加わります。業務提携パートナーの、エレクトリック・シープ。速くなった開発で人には何が残るのか——同じ問いを、違う持ち場から追いかけています。

MEMBER PERSPECTIVE

note / 2026.08.21

AIに任せられることは任せて、人間は、人間にしかできない知識創造に、時間を注ぐ。そのためにこそ、まず使い倒す。

【AI時代の「経営者」ノート 21】AIの原則を、推進の最初に決めておく

高木 康介

AI導入で最初に決めるべきは禁止事項のリストではなく、組織の行動原理としての「原則」。「使い倒す」を最優先に掲げることで、リスク回避ではなく知識創造へ向かう姿勢が組織に根づく。

WHY NOW — なぜ、いま

8月に参画した高木が最初に書いたのは、禁止事項のリストではなく、原則の話でした。AI推進の一歩目の設計として、そのまま持ち帰れます。

MEMBER PERSPECTIVE

note / 2026.08.04

品質も、終わりも、決めるのは人だった。

品質を決めるのは、人の仕事 ── 自分用のアプリを、人に渡せるものにするまで

佐藤 夕佳

自分用に作ったアプリを、人に渡せるものにするまでの記録。AIが提案も実装も速くする一方で、品質・正確さ・終わりを決める判断は人に残ることを、手を動かして確かめた。

WHY NOW — なぜ、いま

カスタムMCPサーバーを作ってみせた本人が、次は「人に渡せる品質」の話を書きました。作れるようになった人が、最初にぶつかる壁の記録です。

TECHNICAL NOTE

Zenn / 2026.07.16

どこまでがどちらのモデルか、線を引く作業はもうしたくない。次にFableへ長い文章を頼むときは、まず自動モデル切り替えをオフにします。

Claude FableがOpusへフォールバックした部分だけ、Codexを監督にしてやり直す

新田 翔

Claude FableがOpusへ自動フォールバックして文体が混在した事故を、ログの実モデル名から復元し、Codexを監督役に立てて混在部分だけやり直した記録。

WHY NOW — なぜ、いま

速くなった分だけ人に残る「確かめて、引き受ける」の、エンジニアリング版です。事故の復元から、次の運用をその場で決めるところまでが一本にある。

カルチャーは、掲げるものではなく、日々積み上がるものだ。

高木 康介『AI時代の「経営者」ノート 19』本文より →

PODCAST

The Update / 2026.08.18

イノベーションはどう起こす? with 東洋製罐グループホールディングス 竹内友里 #1

ゲスト:竹内 友里(東洋製罐グループホールディングス)

2万人規模の組織で、イノベーションの土壌をどうつくるか。容器開発の歴史と、失敗から生まれた「氷結」ダイヤカット缶の話から。

TAKEAWAY — 持ち帰った問い

土壌づくりとは、失敗が種になる場所をつくること。イノベーション推進もまた「育つ環境」の設計だった。

QUESTIONS

考えつづけている問い。

AI時代に、人々が価値を生み出す場はどこになるか?

Slackをチャットツールではなく、組織の記憶が生まれる場所だと考えています。作業がAIへ移っていくほど、人の時間は会話へ寄っていく——問いを立て、決めて、託す場面へ。価値が生まれる場所は、作業画面から対話の場へ動いています。ツールは数週間で入りますが、会話がひらかれるまでには物語が要る。だから私たちは、設定より先に文化に向き合います。

FIRST STEP — はじめの一段

決定が流れているDMをひとつ選んで、ひらいた場所に移してみる。まずは、ひとつだけ。

#Slackと組織文化

AIが答えられないのは、AIのせいなのか?

AIエージェントが日常的に仕事をする前提で、組織のアーキテクチャを考え直しています。この夏わかってきたのは、AIの賢さが問題になる場面は案外少ないということ。期待した答えが返らない原因はたいてい、複雑化した業務システムと、流れてこない文脈の側にあります。だから私たちは、足すより先に引く——止まっていた時計の針を進め、AIが理解できる環境に整えるところから始めます。

FIRST STEP — はじめの一段

AIに新しい仕事を足す前に、AIがまだ読めない決まりごとを一枚、文書にしてひらく。

#AIエージェントと組織

まだ「専門外です」と言えるのか?

非エンジニアの佐藤がカスタムMCPサーバーを作り、エンジニアの藤井は専門外のネットワーク障害をCodexと解いていく。つくる側と使う側、専門の内と外——境界は思っていたより薄いようです。検証を重ねているのは、その境界がどこまで薄くなるかを、自分たちの手で確かめたいからです。

FIRST STEP — はじめの一段

「自分の専門外」の小さな困りごとをひとつ選び、AIと30分だけ向き合ってみる。

#誰でもつくる時代

変わりつつある仕事のLoopをどう体感するか?

試して、確かめて、書く。AIに開発を任せる働き方を、全エンジニアが毎日回しています。書くものは変わりました——コードそのものより、AIに渡す文脈、毎回読ませる作業場、監督のための指示。検証記事が多いのは、動かしてみないと分からない時代だからです。このループは、読むより回すほうが早い。動かした者だけが、次の問いを立てられる。

FIRST STEP — はじめの一段

次の依頼をAIに渡す前に、前提と判断基準を先に書き出して、それごと渡してみる。

#AI駆動開発

「これでいい」と言えるのは、誰か?

AIは実装を速くしましたが、「これでいい」と言う仕事は速くなりません。佐藤は過剰品質に気づいて線を引き直し、マジックハットの現場では人の確認が千件に数件まで絞られました。残りを「見なくていい」と言えるのは、確かめ方を先に決めてあるからです。速さは機械へ、確かめる仕事は人へ——この反転を、自動化研究は40年前から「Ironies of Automation」と呼んでいます。次の問いも見えています。確かめる人間は、どこで育つのか。

FIRST STEP — はじめの一段

「これでいい」の基準をひとつの業務だけ文章にする。合格の例と不合格の例を、ひとつずつ添えて。

#品質と人の判断

AIが同僚であると、どのように感じるのか?

私たちのSlackには、エージェントが同僚として住んでいます。呼べば返事があり、任せた仕事の続きが会話に流れてくる。道具を「使う」感覚と、同僚が「いる」感覚のあいだには、思ったより広い川があります。プロダクトも支援も、その川を渡る体験の設計だと考えています——性能の話は、そのあとでいい。

FIRST STEP — はじめの一段

AIを別画面ではなく、ふだんの会話の場にひとつ招き入れて、一週間いっしょに働いてみる。

#エージェントのいる現場

組織の記憶は、どう価値にかわるか?

知識は蓄積するものではなく、巡らせるもの。ためこんだ情報が知識になるには、微生物が定着できる土のような環境——ひらかれた場と、巡る仕組みが要る。そしていま、巡る先には人だけでなくAIも並びました。リバネスグループの「知識製造業」の思想を、デジタルの現場で実装するのが私たちの仕事で、このページ自体がその実験です。

FIRST STEP — はじめの一段

ためこんだ議事録をひとつAIに読ませて、いま動いている案件への示唆を尋ねてみる。

#知識創造と組織の記憶

直接つくれないものは、どう育てるのか?

土の藤井先生、腸の伊藤さん、そして東洋製罐の竹内さん。The Updateで続いた三つの対話が、同じ形の知恵に着地しました。育てたいものを直接いじるのではなく、それが勝手に育ってしまう環境のほうを整える。AIの導入も、組織の変革も、私たちはこの形で考えています。

FIRST STEP — はじめの一段

新しい取り組みがうまくいかないときは、人を替える前に、置き場所を変えてみる。

#育つ環境

迷いや言い淀みは、削るべきなのか?

技術の話を突き詰めるほど、人間の話になります。AIが止められない心理を平塚は「行動嗜癖×FOMO」と名付け、五十嵐は迷いや言い淀みこそ情報だと気づき、篠原は映画を見返して、怖いのはロボットではないと知る。整いすぎないもの、均されないもの、失う可能性。答えを急ぐ必要はないと思っています。問いを手放さないことのほうが、ずっと大事です。

FIRST STEP — はじめの一段

次にAIへ相談するとき、整えた文章ではなく、迷ったままの言葉をそのまま渡してみる。

#人とAIの協働

「あたりまえ」は、いつ生まれたのか?

「伝統」と感じている披露宴は戦後の発明で、印象派の登場には写真という黒船が要りました。あたりまえの多くには、始まった日付があります。AIがなんでも要約してくれる時代にこそ、ものごとの来歴を遠くまで遡る時間を意識して持つ——異分野の専門家と対話するThe Updateを続けているのは、そのためです。問いの立て方は、いつも遠くから来ます。

FIRST STEP — はじめの一段

社内の「昔からこうです」をひとつ選んで、いつ始まったのかを調べてみる。

#世界への好奇心

中身が変われば、 容器も変わる。

The Update — 東洋製罐グループホールディングス・竹内友里さんとの対話から、編集部が持ち帰った言葉

CHANNELS

ひとつの知的活動から、それぞれの場所へ。私たちの発信の地図です。

About CONNECTIONS

CONNECTIONSは、リバネスナレッジの思想、人物、記事、対話、技術、顧客との実践のつながりを、人間にもAIにも読める形でひらいていくページです。ここで紹介する記事には、会社の公式発信と、メンバー個人の視点、そしてともに仕事をするパートナーの声が混ざっています。どれも、私たちが「いま読む意味がある」と考えて選んだものです。

問いとピックアップは不定期に差し替え、テーマと記事のつながりは少しずつ増えていきます。完成はしません。ここに書いたことは、打ち合わせでも同じ言葉で話しています。